第32回からCC協議会の実技試験終了後の『口頭試問』形式が変更されました。
前回までの主な口頭試問例と、第32回以降の試問形式は以下のように大きく異なります。
※以下、あくまで口頭試問で多く聞かれた試問例であり、試問パターンや聞かれ方は各回によって異なることに注意してください。
【第31回までの口頭試問例】
・面談で「できたこと」
・面談で「できなかったこと」
・今後どのように面談を進めますか。
【第32回の口頭試問例】
(30秒~1分以内の振り返りと場面選択)
・ 面談の中で印象に残った場面
・ その場面に着目した理由
・その続きを今後どう進めるか
基本的な考え方
口頭試問は、実技試験(15分間)に付随する救済措置の位置づけにあり、加点項目である考え方には大きく変わりはありません。一方、今回の変更点が示しているのは、形式的な口頭試問対策を防止する目的です。
例えば、「傾聴ができました。」「復唱・要約によって関係性を深めることができました。」といった事前に用意したどのクライエントにも当てはまる様式的な口頭試問の回答がこれにあたります。
第32回では上述した口頭試問の設問もバリエーションがあり、実技試験の試験官によって聞かれ方が異なりました。これも事前の回答準備を避ける目的があると考えられます。
当講座では、口頭試問対策については2軸の考え方があることを伝えています。
① 相談ケースに関する見立て・捉え方・面談設計
② キャリアコンサルティング技法に関する自己評価
前回試験までの口頭試問では①②のいずれも重視されたかたちですが、今回の変更ではより①の即興的な把握が求められることになります。
今後の口頭試問対策
これまでも同様ですが、回答を準備するという姿勢はキャリアコンサルティング技法の理解や倫理からも外れますし、第32回以降の口頭試問では準備した回答で対応はできないと考えたほうがよいでしょう。
それでは、対策できることがないかというとそうではありません。口頭試問への回答にはキャリアコンサルティングの面談を技術的に理解して面談設計の全体像を客観的かつ構造的に把握できる基本的な知識が問われます。
そのためにはまず『面談構成』を十分に理解することが重要です。
① 関係構築
② 来談背景・来談目的の把握
③ 気持ちや考えの確認
④ 主訴の共有
⑤ 問題の把握
⑥ 問題へのかかわり
キャリアコンサルタントにはこのような面談の全体像を見ながら現在地点を把握し、今後の方向性を組み立てていくことが求められます。どのようなケースであっても、少なくとも次の3点は面談後に理解できていることがポイントになります。
主訴・・・相談者は今日の面談で一番なにを伝えたかったのか。
問題・・・主訴から導かれる相談者の本質的な問題はなにか。
展開・・・現在面談はどの段階にあり今後どのように進むのか。
これらを面談の中で整理し、口頭試問で端的に答えることができれば、面談で印象に残った『ある場面』がなぜ重要で、その場面が全体像にどう影響してくるのかを答えることができるようになるはずです。
学習と支援のあり方について

当講座ではキャリアコンサルタント試験の合格を通じて、キャリア支援の重要性やクライエントにとって人生が変わる節目に寄り添うことの重みを共有することを大切にしています。講座の中では、試験対策としてお伝えすることと、支援のあり方としてお伝えすることは明確に分けてお話するようにしています。
対人支援をすることは、その方のこれまでの生き方を受け止め、今後の生き方を担うことです。その重みは凄まじいものだと感じます。真剣に向き合うだけでは受け止めきれません。キャリア心理学、面談技法、カウンセリングスキルを知識と技術の両面から深く学び、理解している必要があります。
これまでの実技試験では「運よく合格できた。」というケースがありました。形式的な試験対策が通用する部分が大きく、口頭試問対策の加点も影響していたかと思います。
しかしながら、第33回試験以降ではこれまで以上に面談の本質的な理解と技術が問われることになります。
今回の口頭試問対策の変更点は、支援者としての学習姿勢やあり方を見直すターニングポイントになるのではないでしょうか。






