事例の解説
離職レディネスチェックシート(Early separation Readiness Check sheet=ERC)を活用した事例です。
レディネス(readiness)とは、心理学用語で必要な準備が整った状態を指します。心身の「準備性」とも呼ばれます。ツールを活用することで、離職に対して明確な気持ちや周辺準備がどの程度できているかを測ることができます。
相談者は大学卒業後、3~4年の期間に離転職を繰り返していることがわかります。注目すべきは「なんとなく」「どうかな」などの表現に代表される漠然とした考えの現れです。現職の離職理由についても具体的なことは語られていません。なんとなく、短期派遣は楽だったというお話がありました。
ポイントを整理します。
・今の仕事を退職しようか迷っている。
・待遇が良いのでなんとなく続けてきたが最近になって疑問に思っている。
・もともとは短期の派遣社員をしていたのでその頃のほうが楽だった。
・具体的な将来のことは考えていない。
・アドバイスをいただいてから退職を考えたい。
アドバイスを求める相談者に対して、キャリアコンサルタントは個人的な考えのもとにアドバイスを行うのではなく、共に考えていく姿勢で向き合っています。この姿勢が重要です。意思決定を行うのは相談者自身であり、その機会は今後の人生における重要な資源になります。
ただし、主体性が低下している相談者は、「見放された」と感じられてしまうことがあります。目標に向けて並走していることを丁寧に伝えながら、相談者が自らの問題に向き合うことをサポートしていくと良いでしょう。
離職レディネスチェックシート(Early separation Readiness Check sheet=ERC)を活用することで相談者が自らその思いや考えと向き合うきっかけを提供することができます。大切なことは相談者自身が自らの問題にかかわっていく、キャリアコンサルタントはそのプロセス全体の支援をしていくという姿勢です。
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