事例の解説
復職に関する迷いを感じる女性の事例です。今回の事例で最も注意すべきポイントは「復職への迷い」が主訴であり、「復職に向けた」相談ではないということです。これをキャリアコンサルタントが取り違えると、どこか復職に向けて誘導的な応答が行われます。
例えば次のような応答です。
・復職に向けて期待することをお話してみませんか
・今は女性も働く時代です
これらの応答にはキャリアコンサルタント自身の価値観が反映されているように見受けられます。今は女性も働く時代であり、心配事をあげればキリがないので、復職に向けて期待することを話してほしい。そうすることで、復職への決意を固めてケースを「復職」という結果に導く意図が感じられます。
キャリアコンサルティングの目的は、転職や復職という結果に結びつけることではありません。あらゆる選択肢に対して、クライエントが主体的に意思決定ができるように支援することが重要な目的です。
今一度、キャリアコンサルタントの行動原則を確認してみましょう。
2.相談者の「自分らしさ」の追求と、問題解決の支援を行う
キャリア・コンサルティングの目的は、「相談者が自分で自分の問題を解決することであり、相談者自らが本来持っている自分らしさに気づき、自分らしさを発揮して生き生きと活動すること、すなわち、相談者が自分自身の存在価値を追求することができるよう支援すること」である。キャリア・コンサルタントは、このキャリア・コンサルティングの目的を明確にした上で、支援活動を行う。
今回の事例では、復職への迷いの気持ちを感じる背景にいくつかの心配事が語られていました。それは職場(職員・同僚)に対する考えや、家庭のこと、子どもとの時間に対する心配です。事例の中で登場した「~2つの視点で考える~キャリア子育て分析シート」を活用することで、子ども、家族、職場、私の視点を整理し、「私らしい生き方・働き方」を明確にしていくことができます。
ツールの提案としては適切ですので、それまでのかかわり方について正しい例を見ながら理解を深めてみましょう。







