マズローのポイント
✔ 自己実現こそが最大の価値である
✔ 人間性心理学派
✔ 欲求階層説
マズローの理論
マネジメント職の方には馴染みの深いマズローの理論は多くのキャリア理論に影響を与えた理論のひとつです。その中でもマズローが唱えた『基本的欲求階層説』はあまりにも有名です。先述のマグレガーもこのモデルを基に、Y理論を提唱しています。
基本的欲求階層説
マズローは「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化しました。人間の基本的欲求を『低次の欲求』から並べると、次にように示すことができます。
・生理的欲求 (Physiological needs)
・安全の欲求 (Safety needs)
・所属と愛の欲求 (Love and belonging)
・承認(尊重)の欲求 (Esteem)
・自己実現の欲求 (Self-actualization)
低次の欲求
生理的欲求 (Physiological needs)とは、つまり生命を維持するための本能的な欲求にあたります。食事、睡眠などがこれにあたります。食事をとれないほどの多忙や、慢性的な睡眠不足など労働状況によってはこの次元を満たすことができない場合もありますが、一般的には現代社会の組織で生理的欲求段階を実現できないことはまずないかと思います。
労働基準法に則り、基本的な労働状態にあれば自ずと生理的欲求は満たされ次の次元へと昇華していきます。次に表れるのが安全の欲求です。事業所が物理的に安全を確保していることもそうですが、例えば、生活をしていく上で十分な収入が確保できているということも含まれます。
高次の欲求
ピラミッドの最上部は自己実現の欲求 (Self-actualization)です。欲求段階ピラミッドを全てを満たした状態をマズローは『自己実現者』と表現しました。そして、自己実現者には次のような特徴が見られると説明しています。
・現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
・自己、他者、自然に対する受容
・自発性、素朴さ、自然さ
・課題中心的
・プライバシーの欲求からの超越
・文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
・認識が絶えず新鮮である
・至高なものに触れる神秘的体験がある
・共同社会感情
・対人関係において心が広くて深い
・民主主義的な性格構造
・手段と目的、善悪の判断の区別
・哲学的で悪意のないユーモアセンス
・創造性
・文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越
このように説明をすると超人的な人を想像してしまいますが、私たちは誰しもが自己実現ができる状態を目指すことができます。
ここで重要なことは、自己実現者は”人”ではなく”状態”と捉えてほしいということです。どんな人でも自己実現傾向をもって活発に社会活動をすることができます。それは状態の意味です。そうあった人が場所が変われば保身的で、劣等感に満ちた人間関係を形成してしまう状態もあります。
一方で、不満ばかりを漏らしていた人が環境が変われば活き活きと自己実現に向けて成長に励むこともあります。自己実現傾向は環境に影響されるという事実はキャリアコンサルタントが相談者の支援を行うにあたっても重要な観点だと言えます。






