事例の解説
「人生後半戦のライフ・キャリアシート(在職者用) 」の活用事例です。50代~60代にかけての中高年キャリアでは、お子さんの自立、ご両親の介護などの私生活面での変化、仕事面では役職・役割なども含めた働き方の変化、そして、セカンドキャリアへの展望などがテーマとしてあげられます。
これまで考えていたセカンドキャリアへのイメージをより具体性をもって考えていく大切なときでもあります。今回の相談者のように、介護やキャリアのことを考えてはいるものの漠然としている将来像に対して「人生後半戦のライフ・キャリアシート(在職者用) 」を活用して今後の働き方や人生のあり方を明確にしていきます。
相談の概要をまとめます。
・勤務先がM&Aによって大手企業傘下になる。
・経営方針が厳しくなることが予想される。
・売上によっては店舗の閉鎖も考えられる。
・もし店舗が閉鎖になった場合には異動になる。
・今の環境が”ゆるく”程よく働けている。
・これからのキャリアのことは具体的に考えていない。
・転職することも視野に入れたほうがいいと考えている。
今回の相談者にとって働くことの価値観はどのようなものでしょうか。「今の職場がちょうどよくやれている」相談者からはこのように語られています。相談者にとっては”ちょうどよく”働くことが仕事の価値観としてあげられます。ゆるく、忙しくなく、ちょうどよく働いていたい。しかしそうもいかない事情に直面して、これからのキャリアをあらためて考えています。
「人生後半戦のライフ・キャリアシート(在職者用) 」を活用することで、これまでのキャリアで得た知識・能力・スキル等の棚卸を行い、働くことの価値観や強みと改善したい弱みを理解することができます。また、ライフラインチャートを記述することでこれまでの人生を振り返りながら、キャリアの満足度を「見える化」することにも活用ができます。相談者は自らの価値観を明確にして、キャリア満足度として把握することで今後の意思決定に役立てることに繋がるツールです。
大事なことは相談者が「自分のものさし」で人生の満足度を評価することです。「ゆるく、忙しくなく、ちょうどよく働いていたい」という価値観の是非は問いません。その価値観は相談者にしかわからない大切なものです。キャリアコンサルタントは相談者の価値観を否定することも肯定するこもなく、中立的にかかわることで相談者が自分の価値観に向き合うことを支援します。
ツール活用の目的は、①いつまでに②何を③どのように改善するかを明確にし、今後のライフプランを立てることです。これまで漠然としていたキャリアへの向き合い方がより具体的になることで、相談者が抱える”不安”の捉え方も変容していくことが期待されます。キャリアコンサルタントは相談者の価値観を尊重し、受容することで相談者が自らの人生に向き合うことをサポートしていく姿勢でかかわりましょう。
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