事例の解説
「~2つの視点で考える~ キャリア&子育て分析シート」を活用した事例です。
今回の事例で相談者は職場や保育園、そしてお子さんに対して「申し訳ない」という気持ちをさまざまな表現で訴えています。「困らせたくない」「迷惑をかけている」「心苦しい」そんな気持ちが複雑に交錯しています。ひとつを取れば、もうひとつを犠牲にする。どこか”板挟み”になっているような気持ちかもしれません。
もし、板挟みになっているような気持ちがあるのであれば、キャリアコンサルタントはそれをしっかりと受けとめていくことです。今回の事例のキャリアコンサルタントからの応答は、職場、お子さん、家庭、それぞれに対する相談者の思いを丁寧に聞きながら、受け止めています。そのうえで、お気持ちを整理するためのツールを提案しています。しっかりと気持ちが受け止められた。そうして、相談者は自分の気持ちと向き合うための心の準備ができるでしょう。
キャリアコンサルタントは板挟みになっている相談者の状況やお気持ち、それ自体を解決するのではありません。相談者の状況やお気持ちを解決するのは相談者自身です。キャリアコンサルタントは相談者が自ら、自分の置かれている状況や気持ちに向き合い、意思決定をしていく道のりを並走していく伴走者です。ときに”導き”を与える場面があるかもしれません。しかし、どのような道のりに歩みを進めていくのか、その決定は相談者自身によるものです。
「~2つの視点で考える~ キャリア&子育て分析シート」を活用することで、相談者はお子さんや職場、家庭に対する気持ちを整理することができます。そして、自分にも目を向けるきっかけになるかと思います。
キャリアコンサルタントとの共同作業によって、しっかりと思いを表現することで意外な気づきが得られることがあります。今回の相談者は子ども、家庭、職場、すべてが大切だと感じています。旦那様と協力して両立もできていると語られています。しかし、同時にそのすべてに対して「申し訳ない」という気持ちを抱いています。
「~2つの視点で考える~ キャリア&子育て分析シート」の活用ポイントと期待についてまとめます。
(1)今の相談者には”自分自身”を見つめる余裕がないかもしれません。「私にとって・・・」という質問は相談者が純粋に自分に目を向ける機会になることが期待されます。
(2)棚卸をすることで「なに」にとっての気持ちが一番強く感じられるのか、気持ちの濃淡を明らかにすることができます。それはお子さんかもしれませんし、職場や保育園かもしれません。その気づきが得られることは、今後将来を通じた意思決定にとって非常に重要な資源になることが期待されます。
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