相談者情報:Nさん、男性、39歳
略歴:大手通信キャリアのコールセンター長。課長補佐。課長に昇進することになったが、昇進後の働き方について悩んでいる。
家族構成:妻38歳(パート)
今回のロープレ事例は、昇進・昇格に関する事例です。
今回のクライエントが最も訴えたかったこと、主訴はどのように捉えられますでしょうか。
キャリアコンサルティングのロープレで扱うことが多い”安心と不安””満足と不満”という視点で捉えると、「昇進によって現場職を離れることへの不安、不満な気持ち。」と考えることができます。
この事例ではクライエントが抱えている”疑問”についてはげましを与えることが必要です。はげましというのは、アイビィのマイクロカウンセリングの基礎的なスキルとして定義されてます。「クライエントを勇気づける」という意味ではなく、「クライエントの話を促進させるかかわり」という意味でのはげまし技法です。
クライエントは課長補佐の立場にありながら「営業や経営に一切かかわっていない」との発言や、「(営業・経営は)まったく新しい畑」との発言から、現場職という枠組みから外側に目を向けていないことがわかります。
組織的な役割期待と本人がやりがいと感じるSV職としての仕事に乖離が認められること、コールセンターの仕事を現場とそれ以外で区別しており、ビジネス全体として捉えられていないことを問題として切り出すことができるかもしれません。
クライエントは現場以外の仕事に対して防衛的に構えている可能性があるわけですね。
そこでキャリアコンサルタントは質問によって現場以外に目を向けるときに生じる不安な気持ちを引き出すことで、仕事理解の不足にインサイトを促していくかかわり方針が立てられるかと思います。
今回の事例では論述試験でも重要になってくる”クライエントから語られている事実”とそれに基づく問題の見立てという順番で解説をいたしました。質問も同様に、クライエントから語られている事実から考えられる問題の見立てに基づいて行われます。このことはキャリアコンサルタントの”解釈”や”想像”ではないということが重要になります。
口頭試問ではひとつひとつの技術(できたこと・できなかったこと・今後の進め方)について根拠をもって説明することが求められます。このときになってキャリアコンサルタントが解釈や想像でかかわっていると具体的に説明が難しくなります。そのため、事例と向き合うときには常にクライエントから語られていることを原点に説明ができるようにトレーニングをしていきましょう。






