相談者情報:Nさん、女性、55歳
略歴:妊娠・出産で退職をしたあとは専業主婦だったが、子どもが自立し、夫との離婚を機に就職を考えている。
家族構成:元夫53歳(会社員)子ども22歳(会社員)
今回のロープレ事例は非常に難しいケースです。なにが難しく感じるのかといえば、非常に主訴が掴みにくく、迫られた問題でもないと仰っていることです。
クライエントは、ひとりで生活をすることになり両親や子どもとは一定の距離を置く中で「なにか仕事をしていなければいけない」漠然とした不安があるようです。しかし、すぐに働かなければいけないわけでもなく、ブランクもあるのでどうしようかなと気長に考えています。
クライエントは離婚を機に不安があると言う一方で、これはファイナンスの不安ではないとはっきり仰っています。つまり、それ以外の不安です。多くの場合、仕事の不安というのはファイナンスの不安がつきまとう問題です。しかし、今回のクライエントが抱える悩みはもっと心理的なものなのですね。
そこで問題は次のように定義してみます。
「仕事をしていないといけないような気」「仕事はなんでもいい」といった発言から、仕事に対しては漠然とした気持ちであり、仕事そのものへの関心は少ないことがわかる。このことから、ひとりで生活していく不安を解消するのに、仕事をするということが目的化されているため、仕事内容や職業選択、将来に対する考え方が漠然としていることがうかがえます。
セカンドキャリアの事例では、「ひとり」ということを取り扱わなくてはいけません。
子どもや夫とも離れて、両親とも疎遠になったことで漠然と将来に対する不安を抱えているはずです。これについてしっかりと傾聴の意思を示すとともに、心理的に孤立していると考えられるクライエントの状況(仮説)を検証していきます。
クライエントは”孤独”に向き合っていることをじっくり深めていきます。この過程で仕事に向かう動機についても十分に気づきを得ながら、今後の”生き方そのもの”を考えていくことになるでしょう。







