相談者情報:Kさん、男性、25歳
略歴:フリーランスのデザイナーとして実家で家族3人と生活している。結婚を機に就職について考えている。
家族構成:父53歳(会社員)母50歳(会社員)兄27歳(会社員)
前半部分ではこれまでのキャリアについて、考えとともに事実関係が伝えられています。そこで、ここでは就職を考えるようになった内面的な経緯やきっかけを聞いていく場面としてかかわっていくことができます。
就職を考えるようになった経緯について事実関係として確認していく必要がありますが、注意すべきポイントはキャリアコンサルタントが「就職」に引っ張られないようにすることです。
就職はあくまでクライエントが考えるひとつの対処策にすぎないかもしれません。もし、経済的なことが理由であればフリーランスでも経済が安定すれば就職という選択肢が消えるのかもしれませんし、家族との関係性のために就職をしなければいけないと思っているのであれば、本質的な悩みは家族関係ということになります。
2つめのキャリアコンサルタントからの応答部分です。ここでは結婚を機に自立をすることが背景にあり、生計を立てていく必要があることがわかりました。フリーランスとしてやっていけていたとは言うものの実家に頼ることありきで考えていたために、自立をするには就職をしないといけないと思っていたのですね。
つまり、クライエントは現在のフリーランスという働き方で自立をしようという意思には乏しく、どこかで就職をしなければいけないという考えに”とらわれている”ことが見立てられます。これがクライエントを悩ます問題であると考えることができます。
今回のケースの終結が、就職するという結論に至ったとします。そうすると、クライエントがわざわざキャリアコンサルティングにやってきた理由はなんだったのでしょうか。なにをキャリアコンサルティングの成果としましょうか。もし、自らの思いで就職するということを考えているのであれば、意思決定ができるはずです。クライエントは、就職をしないといけないという考えに自分自身が納得ができないところがあるために葛藤しているわけですよね。どうしても主体的になれないわけです。
例え、当初の結論通りだったとしてもそれが「家族からどう思われるか」ではなく、クライエント自身の考えが深められてモチベートされた結果であること、納得感のある気持ちを伴う意思決定プロセスであることにキャリアコンサルタントが寄り添うことに価値があるかと思います。






