キャリアコンサルタント試験の面談15分間で集中すべき技術は間違いなく『リレーションづくり』です。当然のことながら、主訴の共有や問題把握ができていることを第三者からも評価されれば素晴らしいですが、それでもリレーションづくりがなされていることが評価されなければ合格点に達しません。
リレーションづくりはラポール形成とも呼ばれますが、信頼関係の構築です。「このキャリアコンサルタントは信頼できる」とクライエントに感じてもらうことです。クライエントの言葉に対して、ひとつひとつ丁寧に耳を傾け、クライエントにしか感じられない世界を教えていただくという姿勢です。
キャリアコンサルタント試験を受験予定の受験生は今まさに「アイビィのマイクロ技法(図2)」をはじめ、様々なカウンセリング理論を勉強していることかと思いますが、それを相談場面で技術的に使えるかと聞かれると難しいと感じるのではないでしょうか。なぜかというと、キャリアコンサルティングやカウンセリングのメソッドは非常に感覚的・体験的な要素を含んでいるからです。この要素を理解するというのは、実体験を伴う経験を重ねていく道のりです。

図2.アイビィのマイクロ技法階層表(アイビィ・福原,1985)
リレーションづくりはこの表の最下層部分、基本的傾聴の連鎖にあたるプロセスです。
・かかわり行動
・開かれた質問、閉ざされた質問
・クライエント観察技法
・はげまし、言い換え、要約
・感情の反映
以上の要素が面談全体を通じて客観的に見ても行われていることが技術としてのリレーションづくりとして評価されます。
キャリアコンサルタント試験の口頭試問では自己評価としてリレーションづくりをどのように行い、その結果としてどのような反応が得られたのかを具体的な言葉で説明が求められます。口頭試問では時間も限られていますので、「傾聴に努めました。」という趣旨の説明でも伝わるかとは思いますが、その中に、上述の要素が含まれていることを意識しておくとよいでしょう。
練習問題『基本的傾聴の連鎖』
基本的傾聴の連鎖について、キャリアコンサルタントによる技術とクライエントの反応をとりながら練習してみましょう。次のケースを読み、キャリアコンサルタントがどのようにマイクロカウンセリングの技法を活用し、その結果としてクライエントからどのような反応が得られたのかを考えてみましょう。
相談者情報:Aさん・女性・40歳
略歴:新卒で入社した企業で総務職から経理職に異動後、妊娠・出産を機に退職。現在、復職を考えている。
家族構成:夫43歳(会社員)
相談者の話した内容
カッコ内はキャリアコンサルタントの発言
先日子どもの保育園が決まりまして、来年の4月頃から徐々に仕事復帰ができるかもと考えています。ただ、ブランクがありますし、年齢的にもキャリア入社ができる企業があるかどうか・・・。入社できたとしても子どもがまだ幼いのでやっていけるかか不安です。
(保育園が決まったので復職を考えているけれども、入社できる企業があるか、それに子育てとの両立ができるかが不安なのですね。ご不安についてもう少しお聞かせいただけますか。)
はい。夫が企業勤めなもので、どうしても私が子どものことをひとりで対応しなければいけないことが不安です。最初のうちはパートタイムの仕事でもあればいいのですが、夫から「それ(パートタイムをやるくらい)ならば、今は子育てに専念したほうがいいんじゃないか。」と言われています。
(お子さんのことをおひとりで対応しなければいけない。パートタイムの仕事をやるくらいであれば、今は子育てに専念したほういいと旦那様は仰っているのですね。それを聞いてどう思いましたか?)
そうですね。なんだか、子育てを自分ひとりに任されているような、そんな気がしました。悔しいような気持ちもありました。なので・・・
(中略)
| 使われていた技法 | クライエントの反応 |
| 例☑感情の反映 | 不安な気持ちを素直に語ることができている |
| □かかわり行動 | |
| □開かれた質問 | |
| □閉ざされた質問 | |
| □クライエント観察技法 | |
| □はげまし | |
| □言い換え | |
| □要約 | |
| □感情の反映 |






