自己理解とは、自分にとって望ましい職業選択、人生設計(キャリア・デザイン)のためにありのままの自分を知ること、その程度を意味しています。
適職が見いだせないクライエントや、自分の強みや弱みに対する理解が浅いことで問題が生じている場合に見立てるのが、自己理解の不足です。自己理解を促進するかかわりや、ツールを活用して働きかけを行います。
主な自己理解のテーマ
● 能力・スキル
自分が考える能力と第三者から見たときの能力
● マッチング
自分が求めるものと第三者に求められるもの
● 強み、弱み
自分の強み、弱みについて客観的に語れる力
● 価値観、信念、興味
何に重きを置いているのか、譲れるもの・譲れないもの
自己理論
自己理解については、カールロジャーズの「自己理論」でも説明されています。「Self-Structure」=「自己概念」であり、自分が自分のことをどのような人間であると思っているかという、自己が認知する自己像のことを指します。そして、「Experience」=「経験」は、実際に体験している経験です。

ロジャーズは、自己概念と経験の不一致が、不適応状態を生み出すと考え、自己概念と経験がより一致して、第Ⅰ領域が拡大することで適応状態に近づけることを説明しました。
例えば、自分では自分のことを気楽な性格だと思っている人がいます。この自己概念に対して、「あなたは気難しい方ですね」という体験がぶつかったとします。そうしますと、その体験は自己概念とは一致していませんので、不適応が起こります。自分は気楽に接しているつもりなのに、相手は気難しいと言って心を開いてくれない。

キャリアコンサルタントのかかわり方
キャリアコンサルタントやカウンセラーはこのときにクライエントの自己概念と経験の不一致を問題として見立て、これに気づきを促すようにかかわっていきます。
応答例です。
「気難しい方と言われたときにはどうお感じになりましたか?」
「気楽な性格を表すエピソードがあればひとつ教えてください」
「〇〇さんはそのお相手の方をどんな方だと思われていますか?」
このようにしてかかわっていくと、クライエントの自己概念というのが部分的な自己像であったり、客観性に欠けるセルフイメージを持っていたりということがクライエントの中で理解が深まっていきます。
「自分の性格には二面性があるのかもしれない」
「人からは厳しいように見えているのかもしれない」
自己理解が促進していき、しっかりと充足すると自己概念と経験が一致して第一領域が拡大します。これが適応している状態です。クライエントがありのままの自分を深めていくことで主体性を取り戻し、問題に向き合っていくことができるようになります。
自己理解不足をテーマにした事例は実技面接/論述試験で頻出の問題です。相談者へのかかわり方はしっかり身に着けておきましょう。
もうすぐ国家試験。
応援しています。






