【これだけは覚えておきたい学科頻出ポイント解説】エリック・バーン

【これだけは覚えておきたい学科頻出ポイント解説】エリック・バーン

エリック・バーンのポイント

✔『交流分析』を創始
✔ 自我状態による構造モデル=PACモデル(親・成人・子ども)
✔ 人生脚本、心理ゲーム
✔ 人間性心理学

交流分析

交流分析とは、自分自身の人間関係やコミュニケーションのパターンを知ることで、対人関係の問題を解消したり、トラブルを回避したりするための心理療法です。 精神分析に基礎を置き、観察できる行動に焦点を当てています。交流分析では、人と関わるときの思考や感情、行動のクセや傾向を『自我状態』と定義し、診断することで自身の性格傾向を把握します。

1950年代にアメリカの精神科医であるエリック・バーンにより創始され、人間の変化と成長のための心理学理論と技法として発展してきました。

分析の対象は『交流』であり、次の4つの分析を基礎理論としています。

・構造分析
・やり取り分析
・ゲーム分析
・脚本分析

『構造分析』では、今の自分の特定の自我状態に気づくことで、自我状態を自発的に切り替え、過去に縛られない、自律的な自分を再発見していきます。また、『やりとり分析』を通じて、自分と同じように、相手の心を自我状態として理解することができます。

構造分析(PACモデル)

エリック・バーンは一人の人間の中に、P(Parent:親)、A(Adult:成人)、C(Child:子ども)の自我状態が想定されるを提唱しました。PACモデルを用いて、人々が相手とどう交流しているのかを分析する交流分析を行います。そして、交流分析を踏まえて人生脚本を検討し、問題の解決につなげていきます。

P:無意識の親の行動パターンの模倣
A:現実に対する客観的な判断
C:子供の頃と同様の振る舞い

相互的または補完的な交流

相互的な交流は、ベクトルが並行で、双方が相手の自我状態に話しかけているときに起こる。これらは相補交流平行交流とも呼ばれます。

右の図では、P(Parent:親)の自我状態から、相手のC(Child:子ども)にかかわっていますが、Person2の相手はC(Child:子ども)の自我状態から、P(Parent:親)の自我状態へ返しています。

職場のコミュニケーションを例にすると、上司から部下に対して行われるストロークはPからCに対する交流がなされることがあります。部下は上下関係がある上司に対してCの自我状態からPに返します。

交錯した交流

一方、Person 1が働きかけた相手の自我状態と、Person 2が返すときの自我状態に不一致があることを『交錯した交流』と呼びます。

右の図では、A(Adult:成人)の自我状態から相手のA(Adult:成人)に働きかけていますが、Person 2はC(Child:子ども)の自我状態から、A(Adult:成人)に返しています。

先の例で言えば、上司は部下の成長を考えて対等な目線でA(Adult:成人)からA(Adult:成人)に働きかけていますが、部下は上司に対してCの自我状態からPに返します。上司はいつまでも成長を感じられない部下に対して苛立ちを覚えるかもしれません。交流分析では、このときにコミュニケーションが失敗している状態にあると考えます。

人生脚本

交流分析によれば、人は、幼い頃に世界と自分の立場を理解しようとして、自分に対する人生の脚本を描くとされています。エリック・バーンはこれを次のように定義しています。

・脚本とは、すでに予定されている人生のプランである。
・脚本は、敏感であり、決定力のあるものである。すなわち、子供の頃に知覚した世界観と、生きる目的、道徳観によって決められているものである。これは、外部的な力によって、押しつけられるものではない。
・脚本は、両親(または、その他の影響を及ぼしやすいものや体験)によって、より強靭なものとなる。
・脚本は自覚されていないものである。
・脚本は、どのように私達が人生を歩むか、何を求めていくかであり、そこに適合しない現実は、私達の持つ意識内のフィルターによって再定義される(または歪められる)。

禁止令とドライバー

人生脚本には、13の禁止令を述べている。禁止令は「~するな」と、一般的には非言語的に伝えられるメッセージで、子供の頃の信条や人生脚本に組み込まれたメッセージです。

【13の禁止令】
・存在するな
・自分自身であるな
・自分の性であるな
・子供であるな
・成長するな
・成功するな
・重要であるな
・所属するな
・近づくな
・健康であるな
・考えるな
・感じるな
・(なにかを)するな

【5つのドライバー】
・完璧であれ!
・他人を喜ばせよ!
・努力せよ!
・強くあれ!
・急げ!!

親は無意識のうちに、非言語的メッセージを子どもに与えるとされています。例えば、「考えるな」という禁止令が与えられたとします。同時に、「完璧であれ」というドライバーが与えられます。

子どもは自分の人生を自ら考えるのではなく、親にとって完璧であるために自分の人生脚本を考えるようになります。これはキャリアコンサルティングでも扱うことが多い主体性の問題として表れる場合があります。

このときに、親から「自分で考えろ」という言語メッセージが与えられたとします。これは、非言語的に与えられている禁止令に拮抗するメッセージにあたり、『拮抗禁止令』と呼ばれます。

エリック・バーンはこのような理論を用いて交流分析を行い、人間性心理学の立場から、問題を解決することに取り組みました。

交流分析は、カウンセリングにおける分析手法として必ず学ぶことがある理論です。キャリアコンサルタント試験対策では、主な4つの基礎理論と概要を抑えておきましょう。

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