★体験ワーク【カウンセリング技法】カール・ロジャーズ『中核三条件③無条件の肯定的関心』

★体験ワーク【カウンセリング技法】カール・ロジャーズ『中核三条件③無条件の肯定的関心』

以下の記事も参考にしてください。

中核三条件の3つめは「無条件の肯定的配慮」です。ロジャーズは無条件の肯定的配慮を次のように説明しています。

「日常的な他者への関心や配慮は、自分にとって好ましいことは肯定し、好ましくないものは否定(もしくは無視)するというように条件付きである。人は見下されたり、より好みされたり、何らかの基準によって良し悪しが評価される関係の中では、本当の自分を表現ができない。
無条件の肯定的配慮は、受容、尊重、温かさなどとも言われる。
カウンセラーをめざす学習者には、人間のさまざなあり方や表現に対する寛容な態度を深め、一人ひとりの人間を尊重する姿勢をしっかりと持てるようになることが求められる。」

それでは体験に進みましょう。

体験ワークショップ「無条件の肯定的配慮」

今回は少しだけ挑戦的な体験ワークです。

自己一致(純粋性)で確認をした「自分が今ここで感じる思い」に集中しながら、傾聴をしてみてください。

ケース①「ゲーム」

「私、「ゲーム」をやる人って馬鹿だと思うんですよね。

時間を無駄にして、お金もかかるじゃないですか。

あんなことやっても何も得しないし、「ゲーム」をやってる人間って頭が悪いんでしょうね。勉強とかしてこなかったんでしょうか。

やっぱり親が言っていた「ゲーム」をやると人生が無駄になるって本当だなって実感するんです。大人になってからよくわかりました。

だから、「ゲーム」やる人なんていなくなればいいのに。

「ゲーム」なんて売る会社が潰れてしまえばいい。」

ケース②「自分の価値観」

※ケース①の「」の中をあなたが最も好きなものに変えてみてください。
例えばスポーツやファッションです。

「私、「服」にこだわる人って馬鹿だと思うんですよね。

時間を無駄にして、お金もかかるじゃないですか。

おしゃれなんかしても何も得しないし、「服」にこだわる人間って頭が悪いんでしょうね。勉強とかしてこなかったんでしょうか。

やっぱり親が言っていた「服」にこだわると人生が無駄になるって本当だなって実感するんです。大人になってからよくわかりました。

だから、「服」にこだわる人なんていなくなればいいのに。

「服」なんて売る会社が潰れてしまえばいい。」

自分の中の「条件」を確認する

それぞれのケースを傾聴した今、心の中はどんな感じがしますでしょうか。

そして、それはなぜそのように感じられるのでしょうか。

人と対峙したときには必ず自分の中でなんらかの感情が生じます。そしてその感情には理由があることも重要です。もし、ゲームやファッションが好きなカウンセラー像であれば、このクライエントに対して嫌な気持ちを感じるのが自然なことです。それはカウンセラー自身が大事にしている価値観に触れるからです。

もしくは、クライエントと同じようにゲームやファッションを好まないカウンセラーだとしたらいかがでしょうか。このクライエントに対して好意や親近感を感じるのが自然で自己一致した感情です。

この感情が目の前のクライエントに対する接し方の条件になります。

無条件の肯定的配慮を考えるとき、重要なことは自分の感情を正確に感じながら、その感情は条件があるから感じる自然な反応であることを理解していることです。

私がゲームを好き(条件)だからこのクライエントは苦手(感情)
私もゲームが嫌い(条件)だからこのクライエントは好き(感情)

なぜ、条件付きの態度ではいけないのか

それではなぜ自己一致した感情で、条件付きの態度ではないけないのでしょうか。ここでは、クライエントに関するひとつの見立てです。

ケース①にも②にも共通して、このクライエントの内的照合枠に「ゲーム」もしくは「服」に対する「嫌悪」のような気持ちがあり、このことがともすると考え方のトラワレが強く、クライエントの感じている生きにくさを形成しているのかもしれません。

別の観点では、親による禁止令に従って抑圧した気持ちが「嫌悪」として表現されていることも考えられます。

カウンセラーが条件付きのかかわりを示した場合、クライエントの支援に重要な資源であるこの点の気づきが見失われてしまうことがカウンセリングの効果にとっては最大の喪失となりえます。

人は条件に対して感情が芽生えます。これは自然の摂理です。そして、カウンセラーはこの摂理に対して技術として無条件の肯定を示すことが求められます。

私がゲームを好きでも嫌いでもなく(無条件)クライエントが今ここで自由に語れるように向き合う(技術)ということ。

「無条件の肯定的配慮」というのはカウンセラーに求められる最も基本的な姿勢であり、同時にクライエントが自由に安心して自己理解を深めるためのカウンセリング技法ともいえます。

【引用・参考文献】

ロジャース,C.R.,2005 クライアント中心療法 (ロジャーズ主要著作集)保坂 亨 (翻訳), 末武 康弘 (翻訳), 諸富 祥彦 (翻訳)Client-Centered Therapy: Its Current Practice, Implications, and Theory. 1951

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