カール・ロジャーズの中核三条件を踏まえて、カウンセラーがどのようにしてクライエントにかかわっていくのか、質問技法を例にした体験ワークです。
↓こちらの記事も参考にしてください。
次のワークでは中核三条件を踏まえて、「2つの質問(応答)」を考えてみてください。
ひとつめはクライエントの状況<コトガラ>に関する質問です。
もうひとつはクライエントの<気持ち>に対する質問です。
(1)コトガラ(状況)
(2)気持ち・思い
質問の体験ワーク
「実は、私は職場で困っているんです。上司がきつい感じというか、合わないんです。どうしたらいいでしょうか・・・。」
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さて、質問がふたつ頭に浮かびましたでしょうか。
例えば次のような質問が浮かんだかと思います。
『コトガラ』への質問/応答
「その上司はおいくつの方ですか?」
「同性の上司ですか?」
「合わないと感じた具体的なできごとがありましたか?」
すると、クライエントは現在お困りのコトガラについて語ります。
「上司は40代の男性でなにがあったというわけではないのですが・・・。」
このようにして状況を理解していきます。しかし、これらはコトガラですので情報収集をしたとしても、コトガラには内面を深める力というものが足りません。そのコトガラをどうクライエントが感じているか、そこが重要です。
コトガラを聞くとき、人はなるべく自分の経験に一致する情報がないかを探っています。これは同感できる気持ちを自分の中で探しているためです。
事実関係と気持ちを切り分けると、話の印象や展開も変わってきます。
とはいえです。クライエントを取り巻く状況を聞かずしてその気持ちにだけ共感的理解を傾けることはできませんし、一方で状況だけを集中的に聞いているとクライエントがその状況をどう感じているかという問題の把握が遅れてしまいます。
どちらに対して応答・質問をしているのかを意識しながらかかわっているということが大事です。
『気持ち』への質問/応答
それでは、気持ちを質問してみましょう。
「上司のことを考えるとどんな気持ちがしますか?」
「困っている気持ちをもう少し詳しく聞かせてください」
「上司とお話するときにはどんな気持ちになりますか?」
このように気持ちを質問することでクライエントは自分を見つめます。答えはクライエントの中にしかありませんので、カウンセラーはクライエントの自己探求を促すことが求められます。
もし、カウンセラーが自分の内的な照合枠で経験的にこのクライエントの悩みを感じ取ってしまうといかがでしょうか。
「上司に嫌悪感があるんですね」
「性格が合わないことに困っているんですね」
カウンセラーの経験的な解釈であることがわかりますでしょうか。もしかするとこのクライエントは上司に好意を抱いているかもしれません、まるで両親のような親近感を一方的に感じているために仕事場面でのコミュニケーションがきついと感じるのかもしれません。たくさんの捉え方があります。
以上の体験でわかったことは、クライエント中心療法における中核三条件のかかわりは主に「気持ち」に対して意識的に向けられたかかわりであるということです。キャリアコンサルタントはインフォメーションとしてクライエントを取り巻く環境や状況をしっかりと把握する必要があります。そして、基本的な情報として踏まえたうえで内面にリーチするかかわりができていることが重要です。
今、ここで質問(応答)していることは<コトガラ>なのか、<気持ち>なのか、です。






