JCDAの評価にある「具体的展開」について考えます。展開とは、わかりやすく言うと変化を指します。起承転結の連続的プロセスの中で、次の場面に進んでいく瞬間、その変化そのものです。変化の前にはキャリアコンサルタントからの技術的なかかわりがあります。
15分の面談の中では面談開始時と終了時のクライエントの変化に注目すると、具体的にどのような展開があったのかがわかります。
例えば、面談開始当初は「仕事を辞めたい。」と語っていたクライエントが終了間際では「本当は続けたいと思っているのかもしれない。」と新たな視点で語るようになったとすれば、具体的な展開と言えます。重要なことは、なぜそう思ったのかです。
そこで考えられるキャリアコンサルタントからの技術的なかかわりはなんでしょうか。
クライエントが面談の中で自分の思いや考えに気づくことや気持ちの変化が起こったとすれば、キャリアコンサルタントが気づきをうながすための質問手法を使っていることが考えられます。
仕事を辞めたい原因が上司との人間関係にあると仮定します。クライエントは来談当初、仕事が嫌で辞めたいと語っていましたが、キャリアコンサルタントは時間軸×他人軸でスクリーニングを行い、上司との人間関係に問題を見立てます。そこで次のように質問します。
「もし、上司が変わるようなことがあれば、仕事を続けたいと思いますか?」
クライエントは来談当初、仕事を辞めたい理由が上司であるとは気づいていませんでした。キャリアコンサルタントが問題を見立て、かかわったことで気づきを得られたのです。
ここまで「できたこと」「できなかったこと」に「具体的展開」を加えた回答例です。
回答例
「はい。できたことは関係構築です。来談当初は緊張されている様子のクライエントでしたが、共感と受容を示すことで安心して本当の気持ちを語っていただくことができました。お仕事を辞めたいという気持ちを確認し、主訴を共有することもできました。
また、この面談では、「本当は仕事を続けたいのかもしれない。」という本当の気持ちに気づく場面があり、展開が得られました。問題を上司との人間関係と見立て、気づきをうながす質問によってクライエントは新たな目線で状況を考えることができるようになりました。
できなかったことは解決に向けたかかわりです。15分の面談ではリレーションづくりをしながら主訴の共有と問題把握に努めましたので、解決に向けた具体的なかかわりには至りませんでした。」
展開は偶然やってくる場合もありますが、原則としてキャリアコンサルタントからの質問などの積極的介入が求められます。少なくとも実技試験ではその展開がキャリアコンサルタントが意図したものであるか否かが重要です。
そして、その前提にあるのは『問題の見立て』です。問題を見立てるからこそ、その問題を仮説検証したり、もしくは気づきをうながす目的でかかわることができます。
口頭試問では展開を得られたことに加えて、なぜその展開が起きたのかをキャリアコンサルタントの技術的な側面から訴求することが評価ポイントになります。






