今回は、口頭試問で問われる『できたこと』『できなかったこと』について、『できてほしいこと』『できなくてもいいこと』の視点で解説したいと思います。
15分の面談では時間の限りがありますので、問題解決に向けたかかわりにまでは進まないことが多いかと思います。
しっかりとリレーションづくりの基礎を徹底しながら、相談内容の把握+主訴の共有までは確実に実践できるようにしましょう。
問題把握については、十分に把握しきれないケースもあります。その場合は正直に、15分の面談で「できなかったこと」として回答をしてください。実際のキャリアコンサルティングでも、初心者が15分でクライエントの問題を正確に把握するというのは困難ですし、取り間違える可能性もあります。
それよりは、問題把握がしきれなかったことを率直にお話いただいたほうがキャリアコンサルタントとしての誠実な姿勢を示すことができるかと思います。
「おそらく問題はこのあたりにありそうだが、15分の面談ではそれを仮説検証的にかかわって明確にしていくことが十分にはできなかった。」といった内容で回答することになります。
これを踏まえて、「できたこと+できなかったこと」の回答例を紹介します。
回答例①
「できたことはリレーションづくりです。クライエントからお話いただいた“仕事に対する不満”の気持ちに寄り添い、共感と受容による関係構築をしました。その結果、仕事への不満は上司への不満であることが具体的に語られました。一方、できなかったことは問題の把握です。上司への不満が仕事へのモチベーション低下を起こしている様子が感じ取れましたが、クライエントが思う解決された状態が明確に語られませんでしたので、問題把握に至りませんでした。」
回答例②
「ラポールを形成しながら、主訴をしっかりと把握することができました。クライエントは仕事への不満というよりは上司への不満を抱えており、その気持ちを傾聴することで主訴が明確になりました。また、与えられた役割に対する捉え方にギャップが感じられ、問題を仕事理解の不足ではないかと見立てることもできました。しかし、この面談では、問題解決に向けたかかわりまではできませんでした。」
最も重要なことは面談のプロセス全体を理解しているか、ということです。面談のプロセスとは次の5段階です。
プロセス1.リレーションづくり
プロセス2.相談内容・来談背景の確認
プロセス3.気持ちや考えの確認
プロセス4.主訴の共有と問題把握
プロセス5.問題解決に向けたかかわり
以上の5段階を理解しているからこそ、今回の面談で進めたプロセスが説明可能です。プロセス3までは確実に進めてほしいと思いますが、プロセス4~5については誠実な面談をしようと思うと時間的な制限がありますので、『できなかったこと』として回答することがつまり、面談プロセス全体を捉えられている評価に繋がります。
キャリアコンサルタントをはじめとする相談業務には倫理観が求められます。その倫理観を示すものが『自分の限界』をよく理解しており、客観的に自分を評価できる力です。
口頭試問では、面談の全体構成を意識しながら倫理観と誠意が伝わるように回答をしましょう。






