こちらの記事では、実践的な質問テクニックを見ていきます。主に、解決志向アプローチ(SFA)の技法を中心に、8つの質問テクニックを紹介します。
実技試験では時間も限られているので無理に質問テクニックを使って質問をしなければと考える必要はありません。基本に忠実に、クライエントへのかかわり姿勢を示すことに集中しましょう。
スターティングクエスチョン
スターティングクエスチョンとは、今を原点に、解決したあとの未来をイメージしてもらうことで、キャリアコンサルティングが目指すべきゴールを明確化するために使うテクニックです。例えば次のような働きかけです。
「どのようになったら<ここ(相談)にきてよかった>と思われますか?」
この質問によってクライエントが解決したい問題はなんなのかが、より具体性を持って語られることが期待されます。また、未来のあるべき姿から逆算して解決的に考えていくという実践的なアプローチです。
スケーリングクエスチョン
スケーリングクエスチョンとは、スケール=ものさしに例えて見えない心の問題を測っていく方法です。
「最悪のときが0、問題がないときを10とした場合、今はどれくらいですか?」
「転職したいお気持ちを1~10で表すと、現在はどれくらいになりますか?」
「来談されたときにお話しいただいたモヤモヤしたお気持ちは、最初が100だとしたら今はどのくらいに感じられますか?」
この質問によってクライエントの心の状態を測り、問題の解決度合や進捗状況を両者で共有することができるようになります。
ミラクルクエスチョン
ミラクルクエスチョンとは、「寝ている間に奇跡が起きて、問題がすべて解決したとすると、翌朝どんなことから奇跡が起きたと気づきますか?」といった質問です。例えば、「会社に行ったら上司が優しくなっていたから」だとすれば、このクライエントの問題は上司に対する恐怖心や不安であることが想像できます。ミラクルクエスチョンを使うことで、解決像を明らかにすることができます。
ミラクルクエスチョンは応用ができます。仮に〇〇、例えば〇〇、もし〇〇というようにクライエントの置かれている状況が好転(または悪化)したときにどう思うかを聞いていく方法です。
例えば、クライエントは長らく勤めてきた仕事を辞めて、派遣社員で働こうか迷っていまるとします。しかし、派遣社員でなにをしたいのか、どのようなジャンルでなにを生かしたいのかといった具体的なことが語られません。なんとなく今の仕事ではキャリアの積み重ねがされている感じがしないと言います。
そこで、面談の終盤で次のように質問をします。
「現在の仕事がどのような状態になれば、辞めずに続けたいと思いますか?」
クライエントの問題は現在の仕事に対して、漠然としたキャリアイメージを持っていること、場当たり的な職業選択の傾向が見られることです。この質問の目的は、今の仕事になにが不足している(と感じている)のかを明確化することであり、その隠れた気持ちを強化するためです。
コーピングクエスチョン
コーピングとはつまり対処法です。これまでに問題をどのように対処してきたのかを質問していくことによってクライエントの経験を明らかにして、現在直面している問題に対するコーピングを考えていくときに使います。
コンプリメント
非常に重要なキーワードですので、覚えておきましょう。コンプリメントとは、クライエントの考え・行動をねぎらうことです。
例えば、育児と仕事を両立しているクライエントがいたとします。そこで重要なことはクライエントの育児と仕事に追われる日々の生活に対してキャリアコンサルタントがコンプリメントすることです。
クライエントを労うことでラポールを形成・維持・強化することがねらいです。コンプリメントを使った質問には次のようなものがあります。
「育児と仕事を両立して本当によく頑張っていらっしゃいますね。少しでも、リラックスできる時間はありますか?」
観察課題
例外的に少しでもマシなときはどんなときなのか、日常生活の場面で観察をして共有をしてもらうときに使います。
例外探しはクライエントにインサイトを促し、本質的な問題を浮き彫りにしていくのに有効なテクニックです。
Do More !
うまくいったこと、適応できていること、クライエントが納得して取り組んでいることを続けてもらうためにかかわっていく技法です。
Do Different !
最後に紹介するのはDo differentです。つまり、他のことをやりましょうという意味です。クライエントが取り組んでいることがうまくいかない、適応ができない、または本人が十分に納得できていない場合には、別の解決策に取り組むように促していく方法です。
以上、ロープレ質問8のテクニックです。
重要なことはテクニックを意識して実践できていることです。その前提には、『問題の見立て』があります。見立てた問題に対して、これを仮説検証していく目的や、気づきをうながすために、応答テクニックを活用していきましょう。






