アンナ・フロイトによる『防衛機制』
防衛機制とは、不快な感情を無意識に避けることで精神的な安定を保つ心理的なメカニズムのことを指します。不快な感情とはつまり、不安、憂うつ感、罪悪感、恥など、『自分にとって受け入れがたい感情』のことです。
アンナ・フロイトは次の防衛機制を提唱しています。★重要ポイント
① 抑圧
∟ 欲求不満や不安な気持ちを『無意識』に抑え込んでしまう防衛機制
② 合理化
∟ 最もらしい理屈や理由をつけて『正当化』しようとする防衛機制
③ 同一視
∟ 他人の長所や能力・実績を『模倣』して自己評価を高めようとする防衛機制
④ 投影
∟ 自分の後ろめたい感情や衝動を『他人のもの』として非難する防衛機制
⑤ 反動形成
∟ 抑圧されている感情や態度が、『正反対の行動』として表れる防衛機制
⑥ 逃避
∟ 困難な状況から逃れようと考えたり、状況から『逃避する場』をつくる防衛機制
⑦ 退行
∟ 幼児期など、現時点の発達の前段階に『逆戻り』する防衛機制
⑧ 代償
∟『ほかの欲求』に置き換えて満足しようとする防衛機制
⑨ 昇華
∟社会的に承認されない欲求を『文化的・社会的に望ましいもの』へ置き換える防衛機制
例えば、試験勉強をしているときの感情を考えてみましょう。ペンを持つ手が震えます。どうしてだろう。考えてみると、試験に向き合う『不安』な感情を抑圧した結果、身体反応が生じているのかもしれません。
「やっぱり役に立たないだろうから、キャリアコンサルタントの試験は受けなくていいや」と投げ出してしまったとしましょう。このときの「役に立たない」というのは試験に向き合うことを避けるために合理化した考え方と言うことができます。勉強をしているのに、気づくと携帯を見ていたりするのも無意識のうちの『逃避』かもしれませんね。
ところで、みなさんはなぜキャリアコンサルタントを目指そうと思いましたでしょうか。
ある受験生は部下とかかわることが苦手で、マネジメントがうまくいきませんでした。そしてキャリアコンサルタントの勉強をする中で『人への攻撃性』があるということに気づきました。人への攻撃性を無意識に閉じ込め、社会的に望ましい形である『キャリアコンサルタント』という資格にチャレンジしようと思ったことに気づきました。
キャリアコンサルタントになれば部下に堂々と指導や説教をすることができる。そうすれば『攻撃性』を置き換えらることができると無意識でそう考えたのです。この話を聞いて『倫理的な疑問』を感じた方はキャリアコンサルタントとして正しい感覚を持っています。
あくまでフィクションのお話ですので安心してください。
昇華はスポーツや芸術の世界で例えられることがあります。社会的には表現できない欲求やその力動を別の形で表現し、成功する例は意外にも多いものです。







